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不活動の健康被害と運動効果

「運動は健康に良い」というのは皆が知っている事実です。
でも運動のポジティブな効果を知っているだけで運動の実施に繋がるかというと、、、そう簡単でもありません。「運動は病気を予防してくれる」という情報だけでは行動を起こすことが難しいのです。
では反対に、不活動(じっとして動いていない状態。オフィスでのデスクワークや自宅でのんびりTVを観ている時間帯も不活動状態です)は体に良くない、というのもおそらく皆さんご存じだと思います。
ただ、ケガや病気の際には「安静にする」ことが健康につながると言うイメージもあり、不活動自体の悪影響については一般的にあまり知られていないように思います。

キーポイント:
不活動の時間が長い分だけ早死にする

海外の研究調査によると、起床してから就寝までの時間の中で、不活動状態(デスクワークも含みますよ!)の合計時間が長ければ長いほど、死亡リスクが増加することがわかりました。
具体的には、一日の生活で不活動時間が11時間未満のグループと13時間以上のグループを比較すると、不活動時間が13時間以上のグループは死亡リスクが2倍に増加しました。この結果は年齢や肥満度(BMI)、性別に関係なく認められました。

また興味深いことに、1日の合計時間だけでなく、一回の不活動が30分以上継続することも死亡リスクを増加させました。
さらにこの結果は1日の活動量で補正しても変わりませでした。

つまり日頃から活動的な方でも、職場での不活動の時間が長いと死亡リスクの増加は避けられないことになります。

以上の結果から、特にコロナ禍でリモートワークが増えている現在において、30分に1回は休憩をとり軽いウォーキングやストレッチをして不活動を中断することが望ましいと考えられます。
(スマートウォッチなどをお持ちの場合、1時間に1回立ち上がって不活動を中断する”リマインド”を設定することが可能な機種も多いので是非活用して下さい)

もちろん、休息を入れるだけでなく、最も死亡リスクと関連性の高い、”1日の不活動の合計時間”をいかに減らすかついても検討することが重要です。(僕も含めて、デスクワークが多い方は不活動の合計時間を減らすのは結構難しいかもしれませんが。。)

不活動の悪影響に対して運動はやはり効果的!というデータも存在する

また1,000,000人以上の対象とした別の調査において、不活動と死亡リスクを検討した結果、やはり不活動の時間が長ければ長いほど死亡リスクが増加することを示しました。

しかしこの研究では、最初に初回した研究結果とは異なり、運動を毎日60〜75分実施すると不活動による死亡リスクをキャンセルしたと報告しています。

つまり、片道30分を歩いて通勤すれば計1時間の運動時間を確保できますので、長いデスクワークの健康被害をほぼ無視できることになります(WHOによると、犬の散歩や庭仕事、買い出しの荷物を持って歩くのも中強度に分類されます)。

先ずは、「座りっぱなしはこれだけ体に悪い!」と言う明確なメッセージ認識した上で、日常生活の中で少しだけ運動量を増やせる試みを計画的に実践しましょう。

参考文献:
1. Diaz, K.M., et al., Patterns of Sedentary Behavior and Mortality in U.S. Middle-Aged and Older Adults: A National Cohort Study. Ann Intern Med, 2017. 167(7): p. 465-475.
2. Ekelund, U., et al., Does physical activity attenuate, or even eliminate, the detrimental association of sitting time with mortality? A harmonised meta-analysis of data from more than 1 million men and women. Lancet, 2016. 388(10051): p. 1302-10.

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