最近注目されている「ウェアラブル技術」とは、身体に身につける電子機器のこと。スマートウォッチやフィットネストラッカーなど、心拍数・歩数・睡眠状態などをリアルタイムで記録してくれます。じつは、こうしたウェアラブル機器が医療面でも大きな期待を集めています。

ウェアラブルがもたらすメリット

  • 健康状態が「見える化」:心拍数や歩数、睡眠の質が数字でわかるので、普段の生活習慣を客観的に見直すきっかけになります。
  • 行動変容をサポート:運動量や食事に気を遣うことで、自然と「もっと歩いてみよう」「もう少し早寝しよう」といった健康的な行動に変わりやすくなります。
  • 診断や治療に役立つ情報提供:ウェアラブルで集めたデータを医師に伝えることで、心拍の乱れや血中の変化を早期に発見できる可能性があります。
  • コストダウンの可能性:病気の予防や早期治療につながれば、医療費や休業コストの削減にもつながるかもしれません。

企業でできる取り組み例

  • ウェアラブルの導入サポート:従業員向けにスマートウォッチやフィットネストラッカーの一部補助を行う
  • 社内でのデータ活用:歩数や睡眠などの匿名化したデータを活用して、健康チャレンジや運動キャンペーンを開催
  • 医療スタッフとの連携:従業員が希望すれば、ウェアラブルのデータを産業医や専門家へ共有できる仕組みを作る

ウェアラブル技術はまだ発展段階ですが、健康維持や治療のサポートなど多くの可能性を秘めています。日々のデータを見える化して、楽しく・無理なく健康づくりに取り組んでみて下さい。

参考文献:De Sario Velasquez, G.D. et al. Mayo Clin Proc Digital Health 2024; Nagappan, A. et al. JMIR 2024

(文責:立命館大学スポーツ科学部 藤田聡)