「脳卒中」は高齢者の病気と思われがちですが、フィンランドの大規模研究(Northern Finland Birth Cohort 1966)によると、思春期や若い成人期に過体重(BMIが基準より高い)だと、中年期の脳卒中リスクが高まると報告されています。特に女性で顕著で、若い頃に過体重だった人は、のちに体重を落としてもリスクが残る可能性があるそうです。
BMI(体重÷身長²)は目安にすぎませんが、多くの研究が「健康的な体重維持で将来的に脳や血管を守れる」と示唆しています。
企業の健康経営では、以下のポイントが有効です:
- 健康診断を活用:血圧・血糖値などを含めて早期チェック・対策を
- 運動習慣の継続:週数回のウォーキングや軽めの筋トレなど、無理なく続けやすい方法を選択
- バランスの良い食事:野菜や果物、魚を増やし、過剰な糖分や脂質を控える
若い頃の体重が将来に影響するとはいえ、今からでも生活習慣を整えればリスクは減らせます。社内で健康への意識を高め合い、長く続けられる健康習慣をつくりましょう。
参考文献:Mikkola, U. et al. Stroke, 2024
(文責:立命館大学スポーツ科学部 藤田聡)