「The Lancet Public Health」に掲載された研究によれば、毎日の短い時間の身体活動が健康に非常に良い影響をもたらすことが示されました。この研究は、イギリスの成人25,000人以上のデータを2年間にわたって追跡し、その結果をもとに行われたものです。驚くべきことに、1日5分から10分の運動をすることで、心臓発作や脳卒中、早期死亡リスクを大幅に減少させることが明らかとなりました。
運動の質も大切
この研究では、運動の「強度」も非常に重要であることが示されました。特に、中程度または激しい運動強度で短時間動くことが、健康上のメリットがあることがわかりました。中程度の運動強度とは、歌うことは難しいが、快適に話すことができる運動強度を指します(早歩きに相当)。一方、激しい運動強度とは、数語以上話すことができない運動強度を意味します。つまり、息が切れるほどの短時間の運動も、健康に良い影響をもたらすことがわかったのです。
デスクワークも問題なし!
皆さんの中には、書類作成や会議などで、デスクに長時間座っていることが多い方もいるでしょう。この研究は、そういった方々にとっても非常に有意義です。なぜなら、長時間の座る作業の合間に短時間でも良いので、身体を動かすことが、健康維持のための秘訣となるからです。
毎日のちょっとした習慣で健康維持
- 休憩時間に、軽いストレッチやウォーキングを取り入れる。
- できるだけエレベーターやエスカレーターを避け、階段を使う。
- 1時間に1回は、少しでも良いので立ち上がり、体を動かす。
忙しい日々の中でも、健康のためのちょっとした工夫を取り入れてみてはいかがでしょうか?
少しの運動から、大きな健康効果を得ることができます。
参考文献:
Ahmadi MN, et al. Lancet Public Health. 2023 Oct;8(10)